FAとVEの違い

ファンクショナル・アプローチ(FA)は、1947年に米国で開発されました。開発はGE社で行われ、開発者はローレンス・D・マイルズ氏です。

その後70年以上に渡り、世界各国に広まりながら改良され、その結果、いくつもの呼び名が生まれました。そこで、ファンクショナル・アプローチ(FA)の特徴に触れつつ、それらとの違いについてまとめました。

▍いろいろな名称が生まれた経緯

開発したゼネラル・エレクトリック(GE)社では、バリュー・アナリシス(VA)と名付けられました。その後、米国海軍船舶局は、バリュー・エンジニアリング(VE)と呼びました。

米国には国際協会があり、2016年にバリュー・マネジメント(VM)に統一すると公式に発表されました(more »

日本にも伝わり、その当時、製造業では主にVAと、建設業では主にVEと呼ばれてました。製造業や建設業を中心とする日本の協会では、現在もVEに統一されています。

ファンクショナル・アプローチ研究所がお伝えするFAは、サービス業を含めた、すべての産業に適用可能で、世界標準に準拠させつつ、さらに拡大発展させた上位の概念です。

▍FAはコスト削減だけではない

VEは、発展の経緯から、原価低減やコスト削減の活動の一環として適用されてきました。そのため、コスト削減に適用した事例やノウハウが増え、コスト削減のための技法やテクニックが開発されてきました。

しかし、本来は、価値向上にもっとも効果を発揮するものです。とくにサービス業のように、投入するリソースを変えずに、いかに顧客満足度を高めるかが重要なビジネスにとって、価値向上の概念はかかすことができません。

FAは、パフォーマンスの分析と評価に着目し、あらゆるビジネスに適用できるよう、徹底的に開発されています(more »)。

つまりFAは、コスト削減ばかりに着目するのではなく、性能・効果・効用・役割なども高めて、顧客満足等パフォーマンスを高めることができるところが、最も大きな特徴といえます。

さらに、よりクリエイティブに思考を変えていく技術があります。携わるひとの先入観や固定観念を取り除くことができます。知識から知恵を生みだす思考システムとして、確立された方法論です。

▍FAは最新の世界標準に準拠している

2020年7月に、『VM Guide』が出版されました。このガイドは、世界標準として3年間掛けて作成されました。世界の各地域から実務者が選ばれ、まとめられました。

横田尚哉も著者の一人です(more »)。私は、サービス分野への適用のための研究開発や改善実績が豊富であること、日本の独自に発展したVEの実情を最も理解していることなどから、選ばれました。

FAでは、こまれでの基準に VM Guide を取り入れ、世界標準に準拠した内容に変更しています。FAを学んだ方は、すぐに世界の専門家たちと同じ言語で、同じ分析方法で理解し合えることになります。

▍FAはアメリカ社団に公式に認定されている

横田尚哉は、2019年に日本で初めて認定されたインストラクターです。2021年3月現在、日本唯一のインストラクターです。しかも、2コースの認定を受けています。

2016年には米国カリフォルニア州で開催された「VMF1」コースに参加し(more »)、2019年には米国ワシントン州で開催された「VMF2」コースのゲスト講師として(more »)指導しております。

横田尚哉は、2005年から毎年、研究開発した技術論文を国際学会に応募し、連続16回の入選を果たしています。常に新しい技術を世界に発信するとともに、FAに取り込んでおります。

2017年には、『ジミー・カーター経営功労賞 2017』(Jimmie Carter Distinguished Service Award for Management 2017)と、『ペーパー・オブ・ザ・イヤー賞2017』(Paper of the Year Award 2017)をダブルで受賞しております(more »