バリュー・メソドロジーとは

ファンクショナル・アプローチという思考システムを使った方法論には、いくつかの言葉が混在していました。

2016年6月に SAVE International は、それまで Value Engine (バリュー・エンジニアリング、VE) や Value Analysis (バリュー・アナリシス、VA) とも呼ばれていた名称を Value Methodology (バリュー・メソドロジー、VM) に統一しました。

そして、2020年7月に「VM Guide」により再定義されました。

▍VM Guide による定義(2020年)

プロジェクト、製品、プロセス、サービス、あるいは組織の価値を向上するための、専門分野が多肢に渡るチームによる、ファンクション分析を用いた 8つのフェーズからなる体系的なプロセスである 。この標準化されたアプローチを誰が使用するかに応じて、この方法論は「Value Engineering」(VE)や「Value Analysis」(VA)などの他の名前で呼ばれています。 VAとVEは両方とも、活動対象のライフサイクルのさまざまな瞬間に価値方法論を適用しています。

A systematic, eight-phase process used by a multidisciplinary team to improve the value of a project, product, process, service, or organization through the analysis of functions. Depending who uses this standardized approach, the same methodology has been called other names such as “Value Engineering” (VE) or “Value Analysis” (VA). Both VA and VE are the application of the Value Methodology in different moments of the life-cycle of the subject under study.

この定義を図化したのが、上の図です。

 

 

▍ポイント1「対象」

「プロジェクト、製品、プロセス、サービス、あるいは組織」とあります。

これは、VMの対象を定義しています。2020年からサービスと組織が加わりました。より適用範囲の広さが明確になりました。

もともとは、製品に使われてきました。その後、プロジェクトに使われるようになりました。そして、プロセスが加わった経緯があります。このように、VMの適用範囲がつぎつぎと広がってきています。

サービスへの広がりは、日本で横田尚哉が行ってきた「ファンクショナル・アプローチ」の事例が海外でも認められたということです。

▍ポイント2「原理」

「ファンクション分析を用いた」とあります。

ファンクション分析は、VM特有であり、他にない分析です。ファンクション分析の原理は、ファンクショナル・アプローチ(Functional Approach、more »)です。1947年にローレンス・D・マイルズ氏(Lawrence D. Miles、more »)が開発しました。

ここは、変わることはありません。70年以上、世界中で適用されている理由はこの原理にあります。新しい定義の中でも、しっかりと明記されているところがポイントです。

説明するまでもありませんが、ここから「ファンクショナル・アプローチ研究所」という社名になっています。

▍ポイント3「フェーズ数」

「8つのフェーズからなる体系的なプロセスである 。」とあります。

これまでのフェーズ数は、6つでした。今回、それが8フェーズに変わりました。分割されたのではなく、前後のフェーズが取り込まれたのです。これにより、より確実に成果を挙げられるようになります。

ファンクショナル・アプローチ研究所も、8フェーズにシフトしてまいります。これまで学んで頂いた皆さんとの整合が取れなくなりますが、これから学ぶ方なために、世界標準に準拠します。どのようなフェーズになったかは、「FAの世界標準」をご覧ください(more »)

 

【参考資料】

SAVE International による定義(2016年)
バリュー・メソドロジー(VM) とは、プロジェクト、製品、およびプロセスを改善するために、体系的かつ構造化されたアプローチである。 バリュー・エンジニアリングとも呼ばれるVMは、製品や製造の分析や改善に使われ、建設プロジェクトの設計や施工に使われ、ビジネスや管理プロセスに使われる。
The Value Methodology (VM) is a systematic and structured approach for improving projects, products and processes. VM, which is also known as value engineering, is used to analyze and improve manufacturing products and processes, design and construction projects, and business and administrative processes.

Value Methodology Standard による定義(2007年)
バリュー・メソドロジーとは、ワークショップで使用されるバリュー・ジョブ・プランを適用するために、提供されるプロセスと構造である。
Value Methodology – Provides the process and structure that is used to apply the Value Job Plan used in the Workshop.

Value Methodology Standard による定義(2005年)
バリュー・メソドロジー(VM)は、費用対効果のよいファンクションを提供し、パフォーマンスが向上する代替手段を作成・選択・開発するために、 プロジェクトの機能を定義・分類し、定められたツールや技法を体系的に適用した、専門分野が多肢に渡るチームによる活動である。
The value methodology (VM) is the systematic application of recognized tools and techniques by a multidisciplinary team to identify and categorize the functions of a project and to create, select, and develop alternative approaches to cost-effectively deliver the functions and/or improve performance.

アメリカ連邦政府の定義(1990年)
一般的な連邦政府では、バリュー・アナリシスはコスト削減に向けられた「事後」の活動に適用されるものであり、バリュー・エンジニアリングは「事前」または製品開発に適用されるものであるとしている。
A common federal government usage defines Value Analysis as an “after the fact” activity, directed toward cost reduction, and Value Engineering as a “before the fact” or product development application.

J. Jerry Kaufman による定義(1990年)
バリュー・エンジニアリングは、製品に志向し、解決における主要分野である物理科学にかかわる問題または機会に適用される。バリュー・アナリシスは、人々に志向し、解決における主要分野である管理および管理システム分析にかかわる問題または機会に適用される。
Value Engineering – A problem or opportunity involving the physical science as the principal discipline in its resolution (product oriented). Value Analysis – A problem or opportunity involving management and administrative systems analysis as the principal discipline in its resolution (people oriented).

日本バリュー・エンジニアリング協会の定義(1978年、玉井正寿)
VEとは、最低のライフサイクルコストで、必要な機能を確実に達成するために、製品またはサービスの機能分析にそそぐ組織的な努力である。

アメリカ国防省の定義(1963年、玉井正寿・訳)
VEとは、最低の総コストで、必要な機能を達成するために、国防製品の機能分析に注ぐ、組織的な努力をいう。

 

[ssba]