FAの世界標準「VM Guide」

2020年7月、米国の SAVE International はファンクショナル・アプローチを用いた方法論の世界標準を公式に発表しました。

横田尚哉は、世界標準を取りまとめる Technical Committee の正式メンバーとして、このプロジェクトに携わりました。

何が、どのように変わったのか、概要を説明したいと思います。

▍新しい世界標準

世界標準は『VM Guide® A Guide to the Value Methodology Body of Knowledge 』(SAVE International、2020)にまとめられました。実務者向けの知識体系であり、学術者・研究者向けの論文集でも事例集でもありません。VMプロジェクトを円滑にし、パフォーマンスを高める実践的なガイダンスが含まれています。

2016年から2020年に、新基準へのプロジェクトがスタートし、その中で「VM Guide®」の Technical Committee が招集されました。Chair man は、Robert B. Stewart 氏で、アメリカ・カナダ・メキシコ・ドイツ・ハンガリー・日本の6カ国からメンバーが選ばれました。

選ばれたメンバーたちは、Ginger Adams、Ashley B. Carson、Tammy Dow、Javier Masini、Sebastian Meindl、Istvan Tarjani、そして私、横田尚哉です。世界中の専門家が認める現役の実務者で、全員がCVS認定資格の保有者です。

本書の奥付はこの様になっています。

▍新しい用語

使われる用語が統一されました。この「VM Guide®」には、各章に用語がしっかりと整理されています。間違った用語を使い、誤用や誤解を減らすためです。

これまでも、いろいろな専門家たちが用語を加工してきました。用語の統一とは言え、用語の加工が禁止されたわけではありません。標準が決められたということです。

とくに、大きく変わったところは、価値の基本式だと思います。これまで、V=F/Cだったところが、V=P/Rとなります。

細かく用語が変わっていますが、主要な用語のみをピックアップすると次のようになります。なおFA研究所では、「VM」を「FA」と読み替えております。意味や用法は同じです。

▍新しいジョブプラン

そしてもう一つ、大きく変わったのは、ジョブプランです。ジョブプランとは実施手順のことです。ジョブプランをワークショップだと考える人がいましたが、今回、明確にジョブプランとワークショップは区別されました。

これまでは、米国ではVMスタディとして6ステップ、日本ではFA活動として10ステップでした。

新しいジョブプランでは、事前活動と事後活動が加わり、8ステップ(8 Phases)となりました。

▍新しい教育プログラム

FA研究所は、創業から10年間、日本標準としての教育プログラムを採用してきましたが、2020年7月からは、世界標準を基本として教育プログラムに移行します。

創業当初より米国標準を取り入れ、オリジナル技法の開発なども行ってきております。教育プログラムは、ジョブプランと用語が変わりますが、内容が大きく変わることはありません。ファンクショナル・アプローチという原理は、いままでもこれからも変わりません。

新しい教育プログラムは、2020年6月よりスタートした「FABIC」の中で行います。個人会員登録していただいた方を対象にしています。詳細と無料の登録はこちらです(more »)