2016 SAVE Value Summit Report

2016年のアメリカSAVE国際協会の世界大会は、カナダ・オンタリオ州のナイアガラフォールズ市で行われました。

世界中から、ファンクショナル・アプローチ、バリュー・エンジニアリングの専門家たちが集まる年に1度の世界大会です。

今回はとても重要なトピックスがたくさんあり、参加者も多く、とても盛り上がりました。

2016年SAVEバリュー・サミット・現地レポート(動画)もあわせてご覧ください。

 

■ナイアガラ・フォールズ

開催地のナイアガラフォールズは、説明するまでもありませんね。「ナイアガラの滝」のある街です。

五大湖のエリー湖とオンタリオ湖をつなぐナイアガラ川にある総延長760m、最大落差55mの滝です。ちなみに五大湖の水面は標高はだいたい175m位なのですが、オンタリオ湖だけ75mです。100mもの差があるのですね。

この滝の横のホテル(シェラトン・オン・ザ・フォールズ)で開催されるのですから、大会の雰囲気も滝の勢いに負けて入られませんね。

ホテルの部屋から見えるナイアガラの滝は、明け方も夜も、すばらしいものでした。

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■2016 VALUE SUMMIT

大会は世界20カ国から総勢250名以上が参加し、3トラックで61のプレゼン、2のフォーラム、2つのパネルディスカッション、6つのセミナーがありました。参加者は、各会場を行ったり来たりしながら、自分の興味のある発表に参加していました。

この大会は毎年、アメリカSAVE国際協会が主催しているのですが、今回はカナダVA協会との共催となりました。2004年のモントリオール大会以来12年ぶりです。そして、オンタリオ州交通局が1916年1月に生まれてからちょうど100年目にあたる記念すべき年でもありました。

オープニングには、メリアン・ルイスSAVE会長(写真左)とルーシー・パロットCSVA会長(写真右)から、力の入った挨拶がありました。

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■工夫された大会は大変な盛り上がり

その後、大会参加者はナイアガラ・フォールズ市市長による歓迎の挨拶を受け、年に一度の世界大会の幕があきました。

大会スポンサーボードの一番上のプラチナ・スポンサーに、ファンクショナル・アプローチを創りだしたGE社が大きく掲げられていました。GE社がテクニックを公開し、コミュニティーをつくり、スポンサーになり、70年たった今も変わらず、世界中で活用しているのです。

国際大会ですから、ランチブレイクやコーヒーブレイクもたっぷりとってあって、ネットワーキングができるように配慮されています。旧交を温めつつ、新しいネットワークもひろがりました。

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■FASTの新基準が発表

私は、本大会に合わせて開催されているオプション・セミナーを受講するため、早めに乗り込んで最新の知識を学んでおりました。参加したセミナーというのは新しく出来たFASTのスタンダード『ファンクション・アナリシス・ガイド』(Kindle 版もあります)の解説です。

これまで、FASTダイアグラムは、様々なバリエーションがあり、その混乱の中で正しいFASTダイアグラムがわからない人が増えてきていたのです。今回の新基準は、正しいFASTダイアグラムをまとめたもので、事例もあり、とても解りやすくなっています。

このセミナーでは、チームに分かれてのワークも有り、参加していろんな国の人達のやり方を知る良い機会にもなりました。

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■著者からサインを頂きました

このガイドを取りまとめたのは、ジェームス・ボルトン氏、リチャード・ハリントン氏、ステファン・カーク氏、ブルース・レンザー氏、ジェームス・レインズ氏、ロバート・ステュアート氏の6名です。

その内、リチャード・ハリントン氏(写真右から2人目)、ステファン・カーク氏(写真右端)、ブルース・レンザー氏(写真左端)の3名が講師となって、直接学べるとても貴重なセミナーでした。

著者のサインを集められるのも、この機会だけですね。私のガイドに、サインを頂きました。

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■横田も技術発表

論文は12年連続12回目となります。今回は初の共著論文となります。一緒に書いていただいたのは、FAコンサルタントの内田佳代さんです。

VEは、製造業や建設業のエンジニアが使うものから、サービス業を始め多くの産業の専門家が使うものに変わってきています。そのため、やり方も変わっていかないといけません。この論文では、昨年出版した拙著『第三世代の経営力』で時代の変化について述べ、新しい時代に相応しい時間短縮を狙った4つの手法を紹介しました。

その内、事例として紹介したのは、私が開発した『4会合テクニック』です。1~2時間の会議を4回開催するやり方です。日常業務への負担もなく、ファンクショナル・アプローチの効果も残した効果的なやり方です。

ありがたいことに、立ち見も出るほどの注目をいただき、プレゼン後もたくさんの質問をいただききました。4会合テクニックの事をもっと聞きたいとか、コラボしたいとか、たくさんの名刺を頂きました。

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発表中の映像をちょっとだけダイジェストとしてピックアップしました。途中、スライドが勝手に変わってしまうというトラブルもありましたが、ジョークでなんとかなりました。

 

■日本のような緊張した雰囲気はありません

セミナーにしてもプレゼンにしても、参加者と発表者の心理的距離が近く、とてもよい雰囲気です。参加者同士もフレンドリーで紳士的です。

朝食を取りながらのミーティングや隣の席の人との自由な会話は、日本ではあまり見かけませんね。

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■ネットワーキングも重要なファンクション

カンファレンスでは、技術の発表をしたり聞いたりするだけではなく、専門家との人脈を形成することも、とても重要です。せっかく世界中から専門家が集まっているのですから、この機会を逃すのはもったいないですね。

初日の前日には会長レセプションがありました。ホテルの最上階、もちろんナイアガラの滝が真正面に見えるレストランを貸しきっての開催です。翌日から始まる大会を前に、久しぶりの再開の人たち、新しく出会った人たち、あちらこちらで紹介と挨拶が行われていました。

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大会最終日の夜には、アワード・バンケットがありました。全てのプレゼンが終わり、全てのディスカッションが終わり、参加者みんなのやり切った感のある、満足気な笑顔がとても印象的でした。

ドレスコードは、「ブラックタイ」でしたので、蝶ネクタイをしております。おいしい食事と、楽しい会話で、あっという間の3時間でした。

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■トークショーで盛り上がる

今回の新たな企画として、ランチタイムにステージで、トークショーが行われました。日本で言えば「徹子の部屋」か「ごきげんよう」でしょうか。

司会進行は、ルーシー・パロット氏(写真右)です。ゲストは、その都度会場から呼ばれ、ジル・ウォーラー氏(写真左、USA)、ティミ・ヘンドリクセン氏(写真左から2人目、オランダ)、テッド・コザ氏(写真左から3人目、カナダ)から、この世界に入ったキッカケや趣味など、普段見せない少しプライベートな話しをしてくれました。

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■チャールズ・W・バイザウェイ氏の追悼

2015年8月に亡くなったチャールズ・W・バイザウェイ氏に対して、参加者全員は哀悼の意を示し、故人の功績を讃え、映像とともに振り返りました。チャールズ・W・バイザウェイ氏は、FASTダイアグラムを発明した人です。FASTダイアグラムは、ファンクショナル・アプローチをする上で欠かすことの出来ないとてもパワフルなテクニックです。

FASTの新基準の発表の年に、故人の死を追悼しなければならないという辛い思いを、会場中の参加者は感じたことでしょう。その後、会場中はスタンディングオベーションがあり、拍手はしばらく止むことがありませんでした。このような瞬間に会場に立ち、一緒に追悼できたことに感謝します。

その後登壇した息子、ジャイ・バイザウェイ氏(写真左)は、参加者に対して亡くなる直前の様子、父としての人柄などを涙ながらに話しました。

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■上野一郎氏の追悼

2015年12月に亡くなられた産業能率大学の上野一朗氏の追悼も大きく取り上げられました。上野一郎氏は、「カレッジ・オブ・フェロー」のメンバーでもあります。

カレッジ・オブ・フェローとは、極めて功績のあった個人に対して、アメリカSAVE国際協会が認定する特別な組織です。日本人では5人が認定されています。

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■大会が終わっても仲間との交流は続く

写真は、大会が終わった後、仲間と食事にでかけたときの写真です。ドイツ、メキシコ、ポルトガル、そして日本の「4カ国首脳晩餐会」です。ドイツは、2ヶ月前のSAVEヨーロッパ大会に訪れた時に、大変お世話になりました。

他愛もない会話を交わす関係もいいものです。普段は鋭い人たちも、実はジョーク好きだったりするのです。そういう関係になれるのもこの大会の利点です。

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■2017年はフィラデルフィアで開催

ローレンス・D・マイルズ氏がファンクショナル・アプローチを発表したのは、1947年です。その70周年記念となる2017年のSAVE VALUE SUMMIT は、アメリカ・ペンシルベニア州のフィラデルフィア市で開催されます。

フィラデルフィアと言えば、アメリカ合衆国発祥の地です。オールド・シティにあるリバティー・ベル、フィラデルフィア美術館の正面階段のロッキー・ステップスは、有名ですね。

考えただけでも、モチベーションとパワーがみなぎってくるところです。是非とも参加したいですね。

ハイシーズンを避けた8月27日~30日の開催です。今から、スケジュールに書き込んでおきましょう。

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