SAVEヨーロッパ大会

2016年4月26日と27日に、ドイツ南部の大都市ミュンヘンで、VEヨーロッパ国際大会が開催されました。

本大会は、ドイツ技術者協会(VDI)、SAVE国際協会(SAVE International)、そしてヨーロッパ・ガバメント・ボード(EGB)の共催です。

製造業では、ファンクショナル・アプローチ(FA)と言わず、バリュー・エンジニアリング(VE)、バリュー・アナリシス(VA, WA)、バリュー・マネジメント(VM)などと呼ばれています。

ドイツ南部は、メルセデス・ベンツ,ポルシェ、BMW、BOSCHなどの本社があり、自動車王国ドイツをけん引する企業があります。製造業を中心に広まったファンクショナル・アプローチは、ドイツでもやはり、製造業に多くの事例や専門家が集まっています。

その地域で開催された今回の大会は、12カ国から約100人が参加しました。

ドイツ、ハンガリー、オランダ、ポルトガル、スペイン、フランス、オーストリア、アメリカ、チュニジア、アイスランド、インド、そして日本です。日本からは7人(内3人がプレゼン)が参加し、国別では開催国ドイツに次ぐ人数でした。

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■ ヨーロッパにおけるVEの歴史

ヨーロッパのVEは、日本と同じくらいの長い歴史があります。その中心はドイツです。ドイツは、1961年にピーター・リード氏(当時シンガー社)によってアメリカから持ち込まれました。そして、ボッシュ社にいたクレール・ヘルマン氏とともにドイツをはじめ、ヨーロッパ各国に普及していきました。

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  • ※ 左からピーター・リード氏、クレール・ヘルマン氏、横田尚哉、マーク・ポーウェルス氏(2014年シュツットガルト)

1992年の欧州連合に合わせてEGBができ、加盟国を中心に連携が始まりました。現在、EGBに参加しているのは、10カ国(オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、イギリス)です。

今回の大会参加国で珍しいところでは、チュニジアですね。チュニジアのVEは、1985年にポルトガルから持ち込まれました。そして、フランスなどで研修する機会を得ながら、成長していています。

また、アイスランドのVEも注目です。2011年頃にノルウェイからもたらされ、ドイツやアメリカなどからの支援を得ながら、少しずつ伸びています。

 

■ 大会概要

大会は、1トラックで行われました。アメリカで行われる世界大会では4~5トラックですが、小規模なので1トラックです。オープニングと基調講演の後、17つの発表と2つのパネルディスカッションが行われました。

国際大会ということもあって、細かな部品の事例というよりも、特殊な事例や企業としての独自の活用方法に関する内容が目立ちました。

日本から参加の内田佳代さんは、日本の歯科業界にFAを普及してきた経験から、新たな取組と事例の発表がありました。そして、斉藤浩治さんは、「反転」というテクニックを使って潜在的な問題や定義をする理論の発表がありました。関田力さんは、ITにおけるFAの活用事例の発表がありました。

こうして、日本のファンクショナル・アプローチの技術と人材をヨーロッパで発信でき、パイプが太くなってきました。これからも、いろいろと交流をしていきたいと思います。

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発表言語は、英語とドイツ語の2つで、同時通訳が入っているので、好きな方で話したり聞いたりしています。

最前列に座り、通訳を聞きながら論文集とスライドを交互に見ながらたくさんメモを取りました。1日終わるとクタクタです(汗)

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夕方には、スポンサー企業のクノール・ブレムゼ社のミュージアムに専用バスで移動し、今大会のアワード・バンケットと参加者たちとの食事を楽しみました。

プログラムの随所に交流の時間が設けてあり、コーヒー片手にたくさんの人とのネットワーキングができるようになっています。ドイツ人だからなのか、技術者が多いからなのか、控えめな印象がありました。

下の写真は、大会前日のジャズバーでの写真です。左から、ドイツの協会会長のマーク・ポーウェルス氏、内田佳代さん、ハンガリーの協会会長のイシュトバン・トラヤーニ氏、そして横田尚哉です。

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■ その他

大会が終わった翌日は、企業を訪問しました。

一つは、ディーゼルエンジンのパイオニアでありドイツのトラック市場第2位の「MAN」社です。もう一つは、鉄道車両やトラックのブレーキシステムのメーカーで有名な「クノール・ブレムゼ」社です。試験センターを見学したり、担当者と意見交換したりして、1日を過ごしました。

それぞれに技術者がついて案内してくれました。自社の取り組みや工夫を熱心に説明いただきました。私は、技術者でもあるので、工場にしても試験センターにしても数々見ております。だから参考になる点と、日本のほうが優れているなと思う点を収集してきました。

残念ながら、ここでの写真はありません。生産ラインや試験センター内は、写真撮影が禁止されているからですね。脳裏に焼き付けておきました。

 

■ヨーロッパとの橋渡し役

私は、この国際大会に参加した初の日本人なのです。最初は、日本人はおろか、アジア人がまったくいないアウェイ状態でした。でも、毎年毎年参加していると、少しずつではありますが人脈が広がってきました。

そういうこともあり、今回も大会の国際パートナー(他にハンガリー、フランス、スペイン、USAの4人)として参加しました。

各国の代表者と連携して、有意義な大会にすることができたと思います。次回もまた参加して、ますます強いつながりをつくり、世界中にネットワークを拡げていきたいと思います。

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これは、おまけなのですが……

駐車場に行くと、2台の車が仲良く並んでいました。よく見ると、ナンバープレートがどちらも「VALUE」なのです。ファンクショナル・アプローチの専門家は、バリューの原則を知らない人はいません。あきらかに私たちの仲間です。だから隣に止めたのでしょう。みんなバリューのオタクの領域ですね。

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