欧州標準規格に新しくFAが追加に

欧州では、FAの新規格を追加するための最終段階となっております。

現在、パブリックコメントを受け付けているようなので、資料を入手し分析してみました。

▍欧州標準規格とは

欧州標準規格というのは、EU加盟国内で、それぞれの国家規格に取り込むよう義務付けている、統一規格で、EN規格とも呼ばれています。

何のための規格かというと、あらゆる産業における管理活動を、体系的に標準化しようというものです。

日本では、むしろ、日本産業規格(JIS)や国際標準化機構(ISO)規格のほうが馴染みがありますね。

そのEN規格で、何が起こっているかというと、新しく「ファンクション・アナリシス(FA)」というタイトルの規格が作られようとしています。

現時点では、ドラフトとしてパブリックコメントを受け付けている段階です。おそらく2024年から施行されるのではないでしょうか。

▍FA規格のポイントは2つ

私は、そのドラフトを入手いたし、結構なボリュームなのですが、一通り目を通しました。

FA規格の目的は、さまざまな課題の分析、複雑な状況の定義、コンセンサスの構築、ソリューションの提供、リスク管理、イノベーション管理といった活動を、欧州各国で標準化することです。

私なりに、標準化のポイントを抽出しました。そのポイントは2つあります。

1つ目は、ファンクショナルに《ニーズを分析する》やり方です。ユーザーのニーズを分析する方法はたくさんありますが、現象として捉えるのではなく、本質として捉えるところが他の方法と異なるところだと思います。その本質のことを「ファンクション」といいます。

もう1つは、テクニカルに《ファンクションを整理する》やり方です。捉えたファンクションを体系的に整理することで、その活動のメカニズムを見える化することができます。見えることで、問題を発見したり、改善点を見つけたりすることができるのです。この整理で用いる技術は「FAST」です。

▍「ファンクショナル・アプローチ」との関係は

このFA規格は、一言で言えは、ファンクショナル・アプローチ(FA)の一部を規定化したものです(同じ略語で混乱しそうです汗)

ファンクショナル・アプローチには、8つのフェーズがあり、その3つめのフェーズの「ファンション・アナリシス・フェーズ」の中の前半の部分といえるでしょう。

すでに、米国社団SAVE国際協会では、「ファンクション・アナリシス・ガイド」(Function Analysis Guide、2016年)と「VMガイド」(VM Guide、2020年)を出しています。現時点での世界標準となっているガイドです。

EUは、その世界標準を、EN規格として2024年に取り込もうとしているということですね。

ちなみに、ファンクショナル・アプローチ研究所では最新のガイドに準拠し、どこよりも早く世界標準を取り込んでいます。

このスキルを手に入れたい方は、2023年9月に東京で開催予定の「第33回FA基礎研修」にお越しください。