【FAって何⑪】改善と改良の違い

改善と改良は、どちらもより良い(善い)方向に向かって、改める時に使う言葉です。しかし、その対象は異なります。

改善とは、ファンクションの達成(目的)に対して使う言葉であり、改良とは、カタチ(手段)に対して使う言葉です。

したがって、具体的で部分的に改めるときに「改良」を使い、抽象的で全体的に改めるときに「改善」を使います。

英語では、改善も改良もImprovementとなりますが、改善には Refinement 、改良には Reform という言葉もあります。

Refinement とは、磨き上げるという意味が含まれます。Reform とは、再整形という意味が含まれます。

少し例を上げて説明しましょう。

《体質を改善する》ために《生活を改良する》
《経営を改善する》ために《制度を改良する》
《排水性を改善する》ために《土壌を改良する》
《エンジンを改善する》ために《ピストンを改良する》

もちろん、《走行性を改善する》ために《エンジンを改良する》という使い方もあります。

ある目的は、何かの手段となっていることもあります。目的と手段は、必ずしも固定されるものではありません。

間違った解釈として、悪い状態を健全な状態に戻すことを改善と言い、健全な状態からより良い状態に高めることを改良という人がいます。

それは、ファンクショナル・アプローチでは間違いです。

例えば、「体質改善」は健全な状態からでも使う言葉であり、「土壌改良」は悪い状態に対しても使います。

ちなみに、トヨタのカイゼンは、世界中に広まっていますか、健全な状態からより良い状態に改める活動でもあります。

 

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