コンサルの逆張り

ダメ出しや逆張りも、コンサルタントのテクニックです。

なんて言うと、私の言い訳のように思われるかもしれませんが、自分の軸を持たず、時代に流されている、従順なコンサルは、いいコンサルティングはできません。

もともと「逆張り」とは、相場用語です。多くの人が読んでいる流れに対して、逆を張る行為です。ちなみに、流れと同じ張り方は、「順張り」といいます。

クライアントが経営における重要な判断をする時、私は逆張りの意見を言う時があります。そのファンクションは、次の2つです。

・相手の気づいていない観点を指摘することで、《冷静な判断を促す》
・相手の反論に期待して、《やる気や本気の度合いを測る》

判断の視点が偏っていたり、狭かったり、あるいは動機不純な時は、特に逆張りです。遅かれ早かれ、株主や銀行、世論から指摘されることだからです。

たかが1人のコンサルに指摘され、戸惑い、萎えているようでは、世の中に出さない方がいいのです。だから、あえて厳しくダメ出しや逆張りの意見を言うのです。少なくとも、私はそういうスタンスです。

とは言え、逆張りやダメ出しばかりのコンサルタントもいます。悲しいかな、それしかできないコンサルタントです。そういう二流のコンサルタントは、クライアントを成長させるどころか、成長の意欲を削ぐだけになりますので、罪ですね。

一流のコンサルタントは、会社にとっての主治医や親のような存在にならないといけないと、常々思っております。

そのために、「時」を読む力を常に鍛えております。それが、コンサルタントだと思っています。