本物のコンサルタントとは

2016年4月から、私はコンサルタント「新30年生」となります。

30年間も同じ職業を続けていると、だからこそ感じるコト、だからこそ見えてくるモノがあります。コンサルタントとは、どんな職業なのか、どうあるべきなのかについて、私の考えを書きます。

コンサルタントという響きに憧れたり、カッコよさを感じる人もいます。一方で、コンサルタントを得体のしれない存在だとか、眉唾だとかいう人もいます。

これから、コンサルタントを目指す方、もう既にコンサルタントの方、是非、私なりの解釈を参考にしていただきたいと思います。

英和辞典で調べるだけでは、コンサルタントの意味は、助言者や相談者としか出てきません。間違ってはいませんが、理解するには足りません。

国際的な認識で言えば、コンサルタントとは、「その特定の専門領域に関して熟達した助言のできるプロフェッショナル」のことです。

A consultant is a professional who provides expert advice in a particular area.

助言をすることを仕事にすれば、誰でもコンサルタントを名乗れてしまうため、玉石混交の世界に陥ってしまったのだと思います。

コンサルタントと言いながら、実際は生産業務や管理業務を受注していたり、知的労働のアウトソーシング(外部委託)先としか認識してなかったりするケースも多いのです。挙句は、クライアントへのダメ出しと評論などを言うコメンテーターのような人も存在します。こういうコンサルタントに任せてしまうと、その企業は成長するどころか迷走するばかりです。

私のコンサルタントに対する解釈は、企業経営の主治医であり、企業活動のコーチだと思っています。クライアントの知らない、あるいは気づかない点を指摘し、それを乗り越える最適な助言の言える存在です。言うだけでなく、クライアントを確実に成功のサイクルに乗せていかなければなりません。

そのためコンサルタントに必要なことは、日々、知識・経験・倫理に関して質・量ともに高めておかなければなりません。誰よりも何処よりも、学び続け訓練し続けていなければならない職業だと思います。

たまに、「コンサルタントはちょっと助言するだけの優雅な仕事だ」という人もいますが、本物のコンサルタントは、その一言に多くの努力をしているのです。

そういう本物のコンサルタントになるためにも、私自身、自分のスキルに慢心することなく、まだまだ学び続けなけれはならないと思っています。だから、冒頭でコンサルタント「30年生」と書きました。

コンサルタントという職業を、お分かりいただけましたでしょうか。

 

ちなみに、経営コンサルタントの資質を国際認証している大きな組織が3つがあります。似非コンサルタントではないことを国際的に証明してくれる組織として多くのコンサルタントが登録しています。

  • The International Council of Management Consulting Institutes (ICMCI)
  • Chartered Institute of Management Consultants (CIMC)
  • International Federation of Consulting Engineers (FIDIC)

私は、ICMCIから「国際認定マネジメント・コンサルタント(CMC)」の認定をいただいています。

 

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私のコンサルタント歴から言えることは「本物のコンサルタントには、常に意識し実行している共通点がある」ということです。私はそれを「コンサルタント5か条」に纏め、コンサルタントになりたいと私のところに来た方にまず伝えています。

常に目前の状況を冷静に見極め、分析できなければならない。

コンサルタントは、冷静な分析者です。たとえどんな状況であろうとも、落ち着いており、私的感情に惑わされないことです。いちいち状況に一喜一憂したり、喜怒哀楽をあらわにするようでは、本質を把握することができません。正しく診ることができず、正しく聴くこともできず、歪んだ主観で判断しているようでは、本物のコンサルタントとは言えません。

常に次の状態を予見し、最善の助言ができなければならない。

コンサルタントは、適切な助言者です。この後、どのような未来が待っているのかを見極める力を持っていることです。どこかで学んだ浅い知識をひけらかしたり、自慢したりしているようでは、相手が求めている助言はできません。結果に対する能書きと、やり方に対する評論しかできないようでは、本物のコンサルタントとは言えません。

常に持てる能力を最大限発揮できる状態でなければならない。

コンサルタントは、真剣な奉仕者です。クライアントの前では、最高のサービスを安定的に提供できることです。体調がすぐれないとか、気分が乗らないとかでは、高いスキルを持っていたとしても発揮できません。準備を怠ったり、手を抜いたり、骨惜しみをしたりしているようでは、本物のコンサルタントとは言えません。

常に顧客を安心させ、やる気と感動を与えなければならない。

コンサルタントは、身近な理解者です。相手の立場に立ち、耳を傾け、手を引き、励まし、背中を押す存在であることです。ダメ出しばかりを繰り返し、最悪のシナリオを強調しているようでは、クライアントへの動機づけを与えることはできません。成長させ、自らの力でその達成を実感させることができないようでは、本物のコンサルタントとは言えません。

常に最新の知識と経験を持ち、正しく導かなければならない。

コンサルタントは、有能な指導者です。自己研鑚を怠らず、自分の専門分野に精通し、どんな疑問にも的確に、わかりやすく、正しく情報を提供できることです。専門用語や外来語を並べ立てたり、難しい理論を持ち出したりしているようでは、育てることができません。いつまでも先生と呼ばせ、頼られているようでは、本物のコンサルタントとは言えません。

 

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私はこれまで、多くのクライアントとお会いしてきました。当然ながら、たくさんの同業コンサルタントとの付き合いもあります。ただ、本物のコンサルタントが少ないことが、残念でなりません。自立できるところまでクライアントを育てることをせず、いつまでもサービスし続けるコンサルは、クライアントのためになってないと思います。つまり、

  • 「もう来なくてもいいですよ」
  • 「あなたから学ぶことはなくなりました」
  • 「自分たちでできるようになりました」

と言われることが、コンサルタントの合格点だと思っています。クライアントにそう言ってもらうために、努力し工夫するのが本物のコンサルタントです。

だから、私は3年以上継続してサービスすることはありません。それは、3年掛けてもクライアントを成功のサイクルに乗せられなかったということを意味しているからです。つまり、コンサルティング失敗ということです。契約を続けて、それ以上クライアントに負担をかけるべきではないと思っています。

本物のコンサルコントは「成るモノ」ではなく、「呼ばれるモノ」です。クライアントが本物だと判断するのです。どのクライアントにも認めてもらえるよう、自分のスキルを磨き、新たなスキルを身につけ、いつでも使えるように訓練を怠らないことです。それが、横田尚哉のいう「コンサルタント」です。

 

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