知識から知恵を生み出すアプローチ
ファンクショナル・アプローチ(FA)とは、知識から知恵を生み出すアプローチです。たった4日でイノベーションを起こす、伝説の思考システムなのです。
▍伝説の思考システム
FAは、1947年12月にアメリカのGE社で誕生しました。開発者は、Lawrence D. Miles(ローレンス・D・マイルズ)氏です。
固定観念にとらわれず、クリエイティブな思考を手に入れ、改善や改革に大きな効果を発揮する、思考システムです。
かつては、製造業や建設業のほとんどが導入し効果を出していました。72年以上経ったいまでも、世界中で適用され続けています。
製造業や建設業では、 FAを使った方法論をバリュー・メソドロジー(VM)と呼んでいます。VMをさらに、バリュー・アナリシス(VA)やバリュー・エンジニアリング(VE)などに分け、区別することもあります。
私は、全産業に適用できるように改良を加え、2008年にその手法を確立いたしました。そして、シンプルに「FA」と命名し、埋もれかけていた伝説の思考システムを、次の世代に遺すために復活させました。
▍知識は素材にすぎない
知識は、単なる材料です。料理に例えると、わかりやすいです。
そのままの状態で、食べることのできる材料もありますが、ほとんどの材料は、多少の加工が必要なものです。加工することで、より消化しやすくなり、身体をつくり、活動のエネルギーになるのです。
もちろん、材料は何でも良いと言っているのではありません。美味しい料理、栄養素の高い料理に、優れた材料は欠かせません。新鮮な材料を手に入れることも大切です。
勘違いしてはいけないのは、いい材料をたくさん手に入れて安心しないことです。いくら材料があっても、調理方法も知らず、調理道具もなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
知識も同じなのです。いい知識や情報をたくさん持っていても、使えなければ、宝の持ち腐れです。目的に応じて加工することができなければ、何の役にも立ちません。
▍知恵を生み出すアプローチ
知恵を生み出すスキルが、重要な時代となりました。知識の多さでスキルの高さを示すことは、もはやできなくなってきました。
かつては、良質の知識をたくさん持っているというだけで、有能な人材であるとされていました。そのため、だれしもが知識を増やすコトに時間と労力を注いできたのです。
しかし今は、違います。知識は、容易に入手できるようになりました。しかも、鮮度の高い、多くの人により検証された、信頼性の高い知識が手に入ります。
これから求められるスキルは、知識から知恵を生み出すことのできるスキルです。まさに、FAが求められる時代になってきました。
▍FAは思考を加熱する
FAは、もっている知識を加工するための道具です。加熱するようなものです。知識を持っている人の思考を加熱すると、柔らかくなり、味が染み込みやすくなり、他の材料と混ざりやすくなるのです。
私は、このシステムを知った時、とても衝撃的でした。火をしらない石器時代のヒトが初めて火で調理することを知ったときの感覚です。「よく今まで火を使わずに食べてたな」「火を使えば栄養摂取がこんなに簡単にできるんだ」
それからというもの、あらゆる知識をFAを使って加工してみました。単なる知識がみるみるうちに変化していき、いろんな知恵が生まれてきたのです。
だから、多くの人に知ってもらいたいのです。多くの企業で、知恵を生み出して、よりよい社会を作っていただきたいのです。
FAは「知識から知恵を生みだすアプローチ」です。それ自体、増えも減りもしません。身につけてしまえば、一生いつでも使える道具になるのです。
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