魚は買うべきか、釣るべきか

教育論では、「魚を与えるより、釣り方を教えろ」といいます。「人に魚を与えれば一日で食べて終わり。釣り方を教えればその人は一生食べていける」という考え方です。

ビジネスでも困った状況になった時、「魚を買うべきか、釣るべきか」の選択に迫られます。

魚とは、解決策や改善策のことであり、それを外部調達するか、自ら創造するかという話です。

くれぐれも、趣味としてのフィッシングでも、食材調達としての漁の話でもありませんので、お間違いのなきように。

▍魚を買ったほうがよい時

世の中に出回っている魚(解決策や改善策)であれば、買ったほうが良いです。

よく遭遇する問題を解決するのであれば、ある程度決まった解決策があるものです。魚屋(ビジネスで言えば、コンテンツ提供サービス)に行けば、購入可能だということです。

魚屋のほうも、いつものルートで、必要なだけ入手できる魚ですから、安価に手に入ることでしょう。

別の魚屋にも売っているでしょうから、安い方を選べばよいのです。

わざわざ自分で釣りにいく行為は、趣味でない限り、時間がもったいないということです。

▍魚を釣ったほうがよい時

しかし、レアな魚(特殊な解決策や改善策)が必要なのであれば、釣ったほうが良いです。

まして、いままで流通していないような魚(新しい解決策や改善策)であれば、自ら釣りに行くほうが断然お得です。

魚屋からすれば、たった一人の客のために1匹の魚を釣りに行きたくないでしょう。時間がもったいないからです。仮に、行ってくれるとしても、長期間待たされ、値段が高くなってしまうことは間違いないでしょう。

そして、客の足元をみる魚屋も出てきます。客が魚を釣ることができないことを理由に、魚の値段を釣り上げてきます。買う側としては、交渉しなければなりません。

さらに、解決策や改善策が社外に知られたくないケースもあります。競合他社に真似されたくないケースです。その魚を自社の企業秘密にし、差別化に使うこともあります。

▍結論は、スキルの有無で決まる

魚を釣ることを選択した場合、自ら釣れるかという新たな問題が生じます。

結局、時間とコストがかかることとなり、ビジネスのリソースの多くが消耗してしまいます。

魚を買うことに慣れたビジネス環境では、釣ることができません。釣り方も知らなければ、釣る道具ももっていません。優秀なビジネスパーソンですら、魚釣りに関しては素人なのです。

だから、スキルなのです。時間とコストを掛けずに、魚を釣ることのできるスキルを手に入れておくことです。いざという時のために、企業は改善スキルを保有しておくべきなのです。

▍「ファンクショナル・アプローチ」のススメ

そのスキルとして、私が強く進めているのが「ファンクショナル・アプローチ」です。1947年に開発されてから、世界中で、今もなお、効果を出し続けているスキルだからです。永く続いていることは、道具が本物である証です。

私は、世の中のために、このスキルを伝授しています。魚が手に入らなくて困っている企業や個人の方には、ぜひ、受け取っていただき、いざという時のため(もしかして今?)活かしてほしいと思います。