【類語シリーズ】示す、掲げる、伝える、告げる、訴えるの違い

日本語は、単語そのものにニュアンスの微妙な違いを表現しています。

ファンクショナル・アプローチ(more ≫)では、ファンクションを定義する際、このニュアンスの微妙な違いを意識して定義することを推奨しています。

今回は、「示す」、「掲げる」、「伝える」、「告げる」、「訴える」の違いを解説してみます。

▍示す

「示す」は、よく使う単語です。隠された状態ではなく、見える状態にする行為です。見える状態にしてあるだけで、見るかどうかは対象者に委ねています。その情報を取りに来るのは、対象者ということです。

《操作手順を示す》、《開催日時を示す》、《経営方針を示す》といった表現となります。

▍掲げる

「掲げる」は、より多くの人の目につくように工夫しながら、見える状態にする行為です。掲げる側の努力が必要ですが、すべての対象者が見るとは限りません。こちらも、対象者が取りに来る必要があります。

《新製品情報を掲げる》、《禁止事項を掲げる》、《売上目標を掲げる》といった表現となります。

▍伝える

「伝える」は、すべての対象者が目にする行為です。その対象者に興味があるかないかに関わらず、見せる行為となります。したがって、その情報は提供者が届けることになります。

《修正内容を伝える》、《審査結果を伝える》、《担当者変更を伝える》といった表現となります。

▍告げる

「告げる」は、伝えるよりも積極的に理解させる行為です。ただ見せる行為ではなく、内容を理解させるところまで含まります。情報を届けるだけでなく、読ませるところまで含まれます。

《操作ミスを告げる》、《契約成立を告げる》、《雇用解雇を告げる》といった表現となります。

▍訴える

「訴える」は、自分の思いを対象者に納得してもらおうとする行為です。読ませるだけにとどまらず、賛同や同意を得られるように、思いや感情まで届ける行為です。

《心理的不安を訴える》、《予算不足を訴える》、《改善提案を訴える》といった表現となります。