数値と数字の違い。数値は、数字と誤差と偏差でなりたっている。

私たちは、あらゆるシーンでいろいろな数字を目にします。そして、その数字をもとに現状をとらえ、次の行動を決めています。

ここで注意したいのは、数字と数値は違うということです。単なる「字」と、意味ある「値」は違います。判断を間違えないように、ここは理解しておきたいところです。

今回は、数値がもつ性質を理解し、数字の正確性や確実性について、お話したいと思います。数字を見た時に、こういう性質があるということを思い出してください。

▍数値の誤差とは

誤差とは、計測方法や計算方法により発生する正確性をあらわす値です。

誤差の例として、「体重は 65kg です」を考えてみたいと思います。

精度の高い体重計で計った場合と、ザックリとしか測れない体重計で測った場合では、含まれる誤差が違います。

精度が±0.01kg の体重計で測ったのなら、65.00kg とは 64.99~65.01kg の誤差を許した値ということになります。

精度が±0.1kg の体重計で測ったのなら、65.0kg とは 64.9~65.1kg の誤差を許した値ということになります。

誤差をたとえるなら、「弾(たま)の大きさ」です。つまり、誤差が大きいとは、大きい弾で撃つのですから、当たりやすいということです。

▍数字の偏差とは

偏差とは、繰り返したときのバラツキで、再現性や確実性をあらわす値です。

偏差の例として、同様に「体重は 65kg です」を考えてみます。

体重は、ある程度の範囲で毎日変動しています。昨日の体重と今日の体重は、異なります。

これは、体重計の精度とは関係ありません。数値そのものが揺らいでいるということです。

その平均値や中央値を数値とするのが普通です。数学的には、標準偏差や分散を使って、盛り込んで解釈しなければなりません。

偏差を例えるなら、「的(まと)の大きさ」です。つまり、偏差が大きいとは、的が大きいのですから、当たりやすいということです。

▍誤解を生むので要注意

したがって、ある数字を見た時は、正確性と確実性を理解しておく必要があるということです。

弾が的にあたったと言っても、中心に当たったという意味ではないということです。大きな的の端を大きな弾がかすっただけかもしれません。

しかし、当たったという事実を、弾が的の中心を撃ち抜いたように解釈してしまいやすいのです。

これが、誤解となり、その誤解はやがて先入観になり、固定観念になっていきます。

この誤差を意図的に用いる場合もあります。受け手への印象操作をしたい時につかわれます。

たとえば、少ないサンプリング調査で、たまたま発生した数字を、さも、的の中心のように解釈させることができます。

数字自体は調査データなので事実であり、改ざんや偽りが一切ないから、なおさら誤解されやすいのです。

▍ファンクショナル・アプローチは先入観を取り除く

ファンクショナル・アプローチは、先入観や固定観念を徹底的に取り除いていきます。

ファクトチェック(事実検証)だけでは不十分です。数値の持つ誤差や偏差に対しても、しっかりと検証します。状況に応じて、確率論、サンプル数、回帰分析、決定係数、シミュレーションなどを使います。

今回は、数値のみをとりあげましたが、私たちの日常の中には、いろいろいな先入観や固定観念があります。

それらが残っていると、解決できる問題も解決できません。ただただ、現状に耐えるだけになってしまいます。

ぜひ、知識から知恵を生み出す思考システム「ファンクショナル・アプローチ」を身に着けていただきたいと思います。

 

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