FAは価値とムダを意識する思考態度です

ファンクショナル・アプローチ(FA)は、単なるコストダウンの手法や改善ツールではありません。

FAは、「本当に必要な価値を常に問い、ムダを見直し、より良い方法を考える」というマインドセット(思考態度)であり、組織や個人の日々の行動や意思決定の土台となるべきものです。

このFAの精神を、経営層から現場まで組織全体に浸透させることで、変化の激しい時代にも柔軟に価値を生み出し続けることができるのです。

▍FAは文化であり、思考態度

FAはプロジェクトごとの道具ではなく、会社全体の文化、そして一人ひとりが自然に実践する“思考態度”として根付かせることが重要です。

大企業だけでなく、中小企業や家庭の日常でも、“価値”“ムダ”を意識する習慣がFAの本質なのです。

▍トップダウンで浸透させる必要性

組織全体にFAの考え方を広げるためには、経営者などトップが主導し、現場までしっかり根付かせることが必要です。

▍変化や改善を続ける土壌づくり

FAは、一度だけの改善活動ではなく、「現状に満足せず、常に“何のため?”“本当に必要か?”と問い直し続ける」態度(マインド)を、日々の業務や意思決定に組み込むことが大切です。

▍FAの発祥と手順

1947年に、アメリカGE社のローレンス・D・マイルズ氏が開発しました。

「ファンクションとコストの最適化を通じて、本当に必要な価値を最大化するための、体系的かつ創造的な問題解決手法」であり、「より少ない資源で、より大きな成果を生み出す」ための思考態度・組織文化です。

FAではまず、「そのモノや工程が本当に果たすべき“ファンクション(効用、役割、機能など)は何か?」を徹底的に見つめ直します。

次に、「そのファンクションを達成するための最適な手段は何か?」を考え、既存のやり方や仕様にとらわれず、不要な要素やコストを大胆に削減します。

▍FAは単なるコストダウン手法ではない

顧客や利用者が本当に求めている価値を追求し、品質や安全性、環境配慮を犠牲にすることなく、創造的な発想で改善を図るという点に特徴があります。

現代のように変化が激しい時代にこそ、複雑で不確実な(VUCA)時代において、「当たり前」を疑い、本質的な価値を見極め、組織の文化・思考態度として浸透させていくことが、FAの本来の意義であり、継続的な競争力向上のカギとされています。

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