AI時代、「35歳で管理職」の前提が崩れる――有能人材を再定義せよ
これまで多くの企業は、「35〜40歳で管理職になる」ことを前提に、人材育成を設計してきました。
現場で経験を積み、資料を作り、調整力とコミュニケーション力を磨き、段階的にマネジメントへ進むモデルです。
しかし、AIが実務に本格的に使われる時代に入り、この前提は崩れ始めています。作業・整理・要約・資料化といった中間プロセスは、急速にAIへ置き換わっているからです。
もはや「作業ができる人」を何年もかけて育てるモデルでは、競争力を保てません。
▍作業者モデルの崩壊
これまで評価されてきたスキルの多くは、次の領域でした。
・資料を速く正確に作る
・情報を広く集める
・会議で上手に説明する
・調整して前に進める
これらは今後も重要ではあります。
しかし差別化要因ではなくなります。なぜなら、AIが“標準以上の品質”で代替できるからです。
若手社員でも、AIを使えばベテラン並みのアウトプットを短時間で出せます。
つまり、「経験年数=価値」という構図が弱まります。
▍有能の定義が変わる
これからの評価軸は、次のように移ります。
| これまでの有能 | これからの有能 |
|---|---|
| 速く作る人 | 正しく決める人 |
| 情報を集める人 | 意味を定める人 |
| 上手に話す人 | 本質を問う人 |
成果物の質よりも、
「何を目的にするか」
「どれを選ぶか」
「何を捨てるか」
を決める力が価値になります。
▍全員が「AIという有能な部下」を持つ
これからは、入社直後から誰もがAIという有能な部下を持ちます。
差がつくのは次の力です。
・問いを設計する力
・目的を言い表す力
・判断基準を置く力
・選択の理由を説明する力
AIは答えを出します。
しかし、「何を答えさせるか」は人が決めます。
▍取り残される企業の共通点
危険なのは、従来の育成プログラムを手放せない企業です。
・資料作成研修が中心
・報告の型ばかり教える
・調整力を過大評価する
・管理職教育が後ろ倒し
育成制度を守ることが目的化すると、環境変化に負けます。
育成は手段であり、目的は《価値を生む人材を育てる》ことです。
▍いま学ばせるべき必須スキル
AI時代の管理職スキルは前倒しで学ぶ必要があります。
必要なのは次の3つです。
・《目的を定める》言語化力
・《関係を組み立てる》構造化力
・《判断軸を置く》意思決定力
これらは偶然には身につきません。
体系だった思考訓練が必要です。
その入口として、まずは「問いを立て、価値を言葉にし、目的手段を構造で示す」型を身につけることが近道です。
この型があるだけで、AIへの指示の質も、会議での意思決定の質も、驚くほど変わります。
もし社内で共通言語として整えたい場合は、ファンクショナル・アプローチ(FA)の基礎を短期間で体系的に学べる場を活用するのも一つの手です。現場テーマに落として練習すると、「分かったつもり」が消え、明日から使える感覚になります。
👉️第38回FA基礎研修(2026年3月)
追伸:参加を検討中の方向けに、募集ページに早割(2/15まで)と人数割の記載があります。
▍有能人材の再定義と育成内容の更新が経営判断になる
「まだ早い」は、これからの時代では最も危険な判断です。
あなたの会社は、まだ“作業者”を育てていますか。
それとも“判断者”を育てていますか。
AIという有能な部下を持つ時代に、管理職スキルの学習を後ろ倒しにしてはいけません。
有能人材を再定義すること。
育成プログラムを更新すること。
学ばせるスキルを入れ替えること。
それ自体が、AI時代における重要な経営判断になります。
