木こりとノコギリ|逸話シリーズ①

ファンクショナル・アプローチ(FA)思考の大切さを伝える逸話シリーズ第一弾です。

今回は、「木こりとノコギリ」です。

努力するコトは必要ですが、その前に立ち止まって考えるコトが結果を大きく変えるという逸話です。

▍木こりとノコギリ

ある賢者が深い山道を歩いていると、一人の木こりが、木を切っているところに差し掛かりました。この木こりは、がっしりとした体格で、見るからに力もありそうでした。汗をいっぱい流しながら、ノコギリをひいていたのです。

「精が出ますね」と賢者が声を掛けました。
「……」

木こりは、チラッと見ただけで何も応えず、一心不乱に木を切っていました。

その賢者は、しばらく木こりの様子を見ていて、あることに気がつきました。力を入れている割には、なかなかの作業が進まないのです。

「もしもし、そのノコギリ、切りにくそうですね。少し目立て(ノコギリの刃を研ぐこと)をしてはどうですか」

とうとう頭にきた木こりは、大声でこう叫んだのでした。

「何が目立てだ。俺は今、見ての通りすごく忙しいんだ。今月中にこの斜面の木を切らなくちゃいけないんだ。そんな暇なんかあるもんか」

▍努力の前に分析力

この木こりは、ただひたすら努力することが正しいと信じていたのでしょう。

しかし、ほんの少しの時間を割いて「目立て(ノコギリの刃を研ぐこと)」をしていたなら、その後の作業はどれほど効率的に進んだことでしょうか。

実行力があるのに分析力が欠けていると、成果につながらない努力を延々と繰り返してしまいます。
一見すると、真剣に問題に取り組んでいるように見えるかもしれませんが、実際には「もっと良いやり方」へと変えるチャンスを自ら逃してしまっているのです。

ファンクショナル・アプローチ(FA)は、今のやり方をより良くするための思考方法です。
「とにかく頑張る」だけでなく、「この方法は何のためなのか」「もっと良い方法はないか」と考える力を身につけてください。

考えることは、努力を活かすための第一歩なのです。

 

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