状況が変わったとき、何を問うべきか

環境が変わった瞬間、人は「何をすべきか」を探し始めます。
しかし本当に必要なのは、答えではなく問いかもしれません。

成功しても、失敗しても、状況は必ず動き続けます。
その変化に振り回されるか、行動に変えられるかは、最初の問いで決まります。

本記事では、変化の瞬間に意思決定を前へ進める二つの問い――「ダカラ」と「デシカ」について考えていきます。

▍変化の瞬間、あなたの問いは何ですか

状況が大きく変わったとき、最初に何を考えますか。
嬉しさや不安よりも先に、問いを持てているでしょうか。

成功・失敗・異動・体調不良。環境は常に揺れ動きます。
そのときの最初の問いが、意思決定の質を左右します。

▍好調でも不調でも迷いが増える現場

環境が変わると、行動量は増えるのに前進感は減ります。

会議では「何から手を付けるべきか」が決まらず議論が長引きます。
採用では「今は攻めるべきか、守るべきか」で判断が割れます。

営業でも投資でも同じです。
情報は増え、選択肢も増えますが、判断軸が見えなくなります。

結果として、あとでもできることに時間を使い、本当に今すべきことが後回しになります。

▍迷いの正体は判断軸の不在

なぜこの迷いが起きるのでしょうか。

理由は単純です。
変化そのものが問題ではなく、「問いがないこと」が問題です。

多くの人は「何をすべきか」を探します。
しかし本当に必要なのは、「今だからできること」と「今でしかできないこと」を分ける視点です。

判断軸がないまま選択肢を並べると、すべてが同じ重さに見えます。
その結果、意思決定が遅れ、価値を生むタイミングを逃します。

▍今の行動を決める三つの整理視点

・変化は問題ではなく「機会の入れ替え」である
・迷いは情報不足ではなく判断軸不足で起きる
・行動は「ダカラ」と「デシカ」で絞れる

▍FAの問いでダカラとデシカを言語化する

ここで使えるのが、FAの基本問い「誰のため?何のため?」です。
これは行動の意味を言語化するための問いです。

例えば、売上が急増した場合。
「忙しいから改善は後回し」と考えがちです。
しかし問い直すと変わります。

・売上増加“だから”顧客の声を集める
・売上増加“でしか”できない価格検証をする

逆に、業績が落ちた場合。
・不調“だから”固定費を見直す
・不調“でしか”できない組織改革に着手する

状況の良し悪しは関係ありません。
どんな状態でも、価値を生む行動は必ず存在します。

「ダカラ」と「デシカ」は、状況を行動に変える翻訳装置です。

▍今日から始める小さな意思決定習慣

今日の会議で、まず一つ問いを足してください。
「今だからできることは何か?」です。

そして次に、
「今でしかできないことは何か?」と続けます。

この二つを言語化するだけで、会議の目的が変わります。
行動が絞られ、判断軸が共有されます。

大きな戦略でなくて構いません。
今日の意思決定の質を一段上げることから始まります。

実務チェックリスト

・直近の変化を一つ選び「ダカラ」「デシカ」を各3つ書き出したか
・意思決定の前に「誰のため?何のため?」を言語化したか
・あとでもできる仕事に時間を使っていないか