無知と不知と既知と未知の違い

「知」を含む4つの熟語があります。「無知」「未知」「既知」「不知」です。それぞれどんな意味なのか、そして、どう使い分ければ良いのでしょうか。

いろんな解釈があるかもしれませんが、横田の捉えている違いを、ファンクショナルに整理してみました。

▍ファンクショナルとは

「ファンクショナル・アプローチ」(» more)は、モノやコトを名称で捉えるのではなく、そのファンクション(意味・役割・効用など)を捉えることで、先入観や固定観念を取り除く思考システムです。

創造的思考になれるため、多くの企業や事業で使われている方法論です。

ファンクション(» more)は、名詞と動詞の2語で表現します。動詞が役割や効用そのものを示し、名詞がその対象を表します。そして《◯◯を◯◯する》と記述します。

ここでは、4つの「知」のつく熟語を、ファンクションで表現します。

▍既知とは

既知とは、《「知ってる」を知ってる》コトです。

これは説明するまでもないほど、当たり前です。「知ってる」コトを知ってる状態が「既知」です。

だれしも仕事や生活をする上で、本来知っていなければならない「知」という対象があります。それを知ってるというコトは、手に入れてるコトであり、いつでも活用できるというコトです。

▍無知とは

無知とは、《「知ってる」を知らない》コトです。

本来知っていなければならない「知」について、知らないままでいるという状態が「無知」です。

この状態に長くとどまっているコトは、競争力がないばかりか、他人の判断に従うコトしかできなくなります。まず、「知」の《所在を知る》コトからはじめ、その《「知」を手に入れる》ための努力をし、早く既知にするべきです。

▍未知とは

未知とは、《「知らない」を知ってる》コトです。

未だ手に入れてないが、その「知」に対して認識されている状態が「未知」です。

認識しているが、時間的・場所的に到達していなかったり、物質的・現象的に実現していなかったりする段階では、未知と言えます。努力と注意によって、未来のどこかで既知に変わることになる状態です。

▍不知とは

不知とは、《「知らない」を知らない》コトです。

これも当たり前の言葉です。「知らない」コトについて、何も知らない状態が「不知」です。

仕事や生活をする上で関わらない、もしくは関わる必要のない「知」かもしれませんが、実は、この不知に改善のヒント、クリエイティブの足掛かりがあるものです。不知は膨大な領域になりますが、ファンクショナル・アプローチのようなテクニックを使って、既知に変えるとイノベーションが起こるものでもあります。