「残す」と「遺す」の違い

「30年後の子どもたちのため 輝く未来を遺すため」

これは、ファンクショナル・アプローチ研究所を立ち上げた時に、私が決めた企業理念です。

“遺す”という漢字を使っています。“残す”との違いにこだわっています。

▍残すとは

「残す」とは、何かの行動や活動をした時、材料・お金・時間などの資源を全て消費せず、その一部を次の行動や活動に使えるようにしておくコトです。

資源だけではなく、信用・信頼・機会・人脈なども残す対象です。

ただ、残りモノのように、単に消費しきれずに残る場合にも使います。また、余りモノや取りこぼしモノのように、不本意ながら残る場合にも使います。

この「残す」には、全体のうち、消費されていない部分を指すコトバです。

▍遺すとは

「遺す」とは、何かの価値あるモノやコトに対して、価値の一部でも損ねることなく、その全てを次の代に引き継ぐコトです。

遺産のような金銭的価値に使ったり、遺跡のような文化的価値に使ったり、遺伝子のような生物的価値に使ったりします。

この「遺す」には、次の代に伝えるために、大切にしている全てを指すコトバです。

▍輝く未来は遺すモノ

だから、「輝く未来」に「遺す」のコトバで受けているのです。

今の時代に活動している私たちは、次の時代のために、輝く未来を損ねることなく、むしろより良くして遺していきたいのです。

けっして、私たちが使った残りを、次の時代に残置しておくという意味ではないのです。